週報:【宇宙の起源と宗教、神について】(2021/03/07)


結局のところ、もし真面目に思考を働かせるのであれば、私たちは誰でも宗教的にならざるを得ません。この宇宙の起源について考えると、どうでしょうか。思考において時間を遥か昔まで遡らせて下さい。さて、この宇宙の始まりはどのようにして起きたのでしょうか。また宇宙の始まる前は何があったのでしょうか。ここにおいて私たちは宗教を含んだ思考をせざるを得なくさせられます。すなわち、神がこの宇宙を創造したのかどうか、ということをどうしても考えざるを得なくさせられます。実際、宇宙に関して深く考えている物理学者たちは、この神の問題に直面しています。アインシュタイン以降では最高の科学者と言われたホーキングも、この問題に直面していました。彼の著書を読むと、神のことについて非常に多くが語られています。というのも、宇宙の起源を考えると、どうしても神を考察する必要が出てくるからです。ホーキングの場合、神が宇宙を造られたとは信じませんでした。彼は、この宇宙は「数式」によって発生したとある著書の中で言っています。つまり、絶対的な科学方式が宇宙の始まる前から存在しており、その科学方式が今のこの宇宙を生成させたと考えたのです。そして、その法則こそが「神」と呼ばれているものだと彼は言っています。これは科学者らしい考え方ですが、人格的な神を否定しているという点で非常に不敬虔です。晩年のホーキングは、多元宇宙論(マルチバース)の考えを持っていました。すなわち、宇宙という空間は永遠の昔からずっと存在しており、現われては消える泡でもあるかのようにビッグバンとビッグクランチを繰り返して増殖し続けていると。彼は、今私たちが存在している宇宙も、そのような宇宙の一つに過ぎないと考えました。ですから、彼はもしかしたらブラックホールを通じて、別の宇宙空間に移動できるかもしれないとも考えていました。この考えは単なる逃避であって、ただ胡麻化しているだけであり、自分で自分の理性を知の迷宮へと入り込ませているに過ぎません。何故なら、このように考えても、宇宙がどのようにして開始されたかという問題は解決されていないからです。「宇宙は昔から出現と消失を繰り返してきたのだ。これからも永遠にそうなる。」これでは宇宙の起源がどうだったのか何も分かりません。ヴォルテールは「精神は身体の現われである。」となかなか鋭いことを言い、世の中にも「健全な精神は健全な身体に宿る。」という言葉がありますが、身体に障害を持っていたホーキングはその精神も身体と同じように異常な性質を持っていたというわけです。この宇宙の起源については、神の存在を考える以外にはありません。神が宇宙の始まる前からおられ、その神がこの宇宙を創造されたと。このように考えれば全てが解決されるのです。ところが、多くの人たちは、往々にしてこのように考えるのを嫌がります。何故なら、このように考えるのは宗教的であり、神を認めなければならないからです。聖書が教えている通り、人間は神の前にまったく堕落しており、霊的に死んでいます。ですから、多くの人が宇宙の起源を考える際、神の存在を認めたり宗教的な考えに至ることをあまり好まないわけです。しかし、それでは永遠に宇宙の問題を解決できないままです。ぜひ多くの人たちが有神論的になり、聖書の創造論を受け入れるようになってほしいものです。