週報:【神の啓示と現代の宇宙論】(2021/03/21)


20世紀前半に、アメリカの天文学者であるエドウィン・ハッブルが、天体の光における赤方偏移を観察しました。この赤方偏移は、地球から離れた銀河ほど、地球から速いスピードで遠ざかっていることを暗示していました。これはあくまでも仮説に過ぎませんが、ほとんど全ての物理学者がこの赤方偏移を宇宙膨張の事実として捉えました。私も、これは恐らく宇宙が膨張していることを示していると考えています。というのも、そのように考えるしかないからです。つまり、この宇宙は過去になればなるほどサイズが小さかったということです。それでは、過去を極限まで遡ると、この宇宙はどうなっていたのでしょうか。限界まで過去に戻ると、この宇宙は特異点という領域だったことになります。この特異点とは重力が無限大になる極微な点であって、エネルギーがそこでは膨大であるため、既知の科学方式を適用させることはできません。それゆえ、現代の科学方式をもってしても、この特異点については詳しく解明できないのです。神学的に言えば、この特異点こそが、神の創造における始めです。すなわち、神は無からこの特異点を生じさせ、その一点から宇宙を膨張させられたのです。そのようにして、私たちの宇宙は、今見られるほどの大きさにまで広がったわけです。しかし、最初の時期は、インフレーション的な爆発的膨張だったでしょう。このインフレーション宇宙論は、東京大学の佐藤勝彦教授やアメリカのアラン・グースなどが唱えており、よく知られています。創造の6日間を考えれば分かる通り、神は最初の時期においては猛烈極まりない仕事をなされました。ですから、宇宙の膨張も最初は猛烈だったと考えるべきです。つまり、ある時期までは宇宙がインフレーション的に広がりましたが、それ以降は広がりの速度が落ち着き、なだらかな膨張となったわけです。このように考えれば、世界は紀元前4000年に創造されたという聖書の宇宙論と、様々な観察結果と緻密な理論に基づいて培われてきた現代のビッグバン宇宙論を調和させることができます。つまり、世界がまだ6000年しか経過していないと考えても、ビッグバン宇宙論を否定しないことが可能なのです。何故なら、ビッグバンの起きた年を紀元前4000年とし、最初はインフレーション的な膨張だったとすれば、何も問題は起こらないからです。しかし、今の時代の科学者たちは、このようには考えません。彼らは徹底的に実証主義的な立場を持ち、決して神の啓示を学問に関わらせようとはしないのです。彼らは、完全に理論とデータだけに縛られており、科学から神の存在を追い出しています。ですから、世界の始原などといった根本的な事柄について、彼らは愚かな考えに陥ざるを得なくなっています。例えば、世界は永遠の昔から続いているなどという詐欺的な空想を本気で考えたりしています。アインシュタインやホーキングのような高名な学者でさえ、この問題になると、しどろもどろになり、言っていることがころころと変わります。この宇宙は神の創造により生じたのですから、神の創造を前提としない限り、正しく把捉することは出来ない仕組みになっているのです。これからも、根本的な部分において神の啓示を考慮しない限り、科学者たちはとんでもない妄想に陥り続けるでしょう。これこそ神の啓示を無視する者たちに対する知的な裁きなのです。