週報:【傲慢な精神に基づく神の否認】(2021/04/04)


現代における最高の科学者であったホーキングは2018年3月に亡くなりましたが、彼は最後の著書(ビッグ・クエスチョン <人類の謎>に答えよう)でまたもや宇宙の起源について妄想的な考えを披露していました。彼が宇宙の始まりについて言ったのは、だいたいこういうことでした。宇宙がビッグバンにより始まった時には、正の性質を持つ物質が大量に生じた。しかし、それと同時に、正の物質と同量の負の物質も大量に生じた。だから、正の物質と負の物質を合わせると総計で「0」となる。「0」とは無に他ならない。つまり、宇宙はトータルで考えれば無であって、そのような宇宙が無から生じたことは非常に理に適っている。このように無である宇宙は無から合理的に生じたゆえ、そこに神とその創造を持ち出す必要はない。この見解は馬鹿げており検討にも値しません。ホーキングはただ「無」に逃避するだけであって、宇宙の起源について明白な答えを提供してはいないからです。これは単なる科学的なトリックであり、自分自身と彼の信奉者たちを欺いているに過ぎません。ホーキングはこの著書を書いている最中に他界しましたが、このように最後まで神とその創造を否認し続けました。どうして彼が神を拒み続けたかと言えば、こういうことです。ホーキングは罪深く、不信仰であり、神の存在が気に入らなかったのです。何故なら、神の存在を認めてしまえば、当然のこととして崇めたり服従しなければいけないからです。また宇宙をも超えた神の存在を認めたら、自分の存在があまりにも矮小に感じられてしまいます。神を認めるのは、すなわち自分を無に等しい存在として認識することに他なりません。何故なら、神は無限であって、私たちは神からすれば砂粒よりも小さい存在だからです。ですから、神を本当に認めれば人間の誇りなどはずたずたに引き裂かれてしまいます。仲間の間で自分の力量を自慢して自信満々だったアマチュアゴルファーが、タイガー・ウッズとゴルフをすることになって自信がなくなるのと一緒です。高慢なホーキングにとって、このような神は耐え難い存在でした。ですから彼は最後まで一貫して神を否認し続けたわけです。彼は宇宙におけるあまりにも精巧な仕組みに気付いていました。その仕組みの背景に人格的な神を感じていたでしょうが、それにもかかわらず神を拒み続けたのです。ですから、彼は地獄に行って当然でした。今ホーキングは地獄で苦しんでいますが、自分が否認していた神の存在を強く感じ取っているでしょう。そして自分の愚かな言説を後悔しているでしょう。彼は科学者としては卓越していたかもしれませんが、神の前では知恵のない愚かな罪人に過ぎませんでした。何故なら知恵とは神を認めて恐れるところにあるのですから。「主を恐れることは、知恵の初め。」(詩篇111:10)と聖書に書かれている通りです。