週報:【アラブ人とイスラム教】(2021/08/22)


先日、タリバンがアフガニスタンの政権を掌握しましたが、私たちは中東にいるアラブ人たちについて3つの事柄を知っておくべきだと思われます。【1】アフガニスタンやその他の国に住んでいるアラブ人たちは、何をしても多くの民族からいぶかしく思われる運命にあります。アラブ人たちが日本人のように多くの国から好意を持たれることは決してありません。実際、今に至るまで彼らは良くない印象を各国から持たれています。それはアラブ人の始祖であるイシュマエルについて神がこう宣言されたからです。『彼は野生のろばのような人となり、その手は、すべての人に逆らい、すべての人の手も、彼に逆らう。』(創世記16:12)この宣言はイシュマエルの子孫である全てのアラブ人たちにも及ぼされています。何故なら、今のアラブ人たちは、イシュマエルが生きていた時、イシュマエルの腰の中にいたからです。ですから今のアラブ人たちもイシュマエルと共に腰の中でこの宣言を受けたことになります。聖書から言えば、今のアラブ人がイシュマエルの時代から既にいたと考えるのは間違っていません。聖書は、レビがその始祖であるアブラハムの時代にアブラハムと共に十一税を納めていたと教えているからです(ヘブル7:9~10)。それゆえ、これからもアラブ人たちは『すべての人』つまり多くの民族から不審に思われ、嫌悪され、距離を置かれることになります。【2】タリバンが民主主義を採用しないと表明したのは当然であって何もおかしくありません。イスラム教とはアラーとその教えに服従する宗教です。つまりイスラム教の国は必然的に「アラー主義」となります。イスラム教徒たちにとってはアラーの心が法なのです。もしイスラム教の国が民主主義を採用したとすれば、それはアラー主義ではありません。民主主義とは「民の多数意見が主となり法となる政治制度」のことだからです。民が主であれば、もはやアラーは主ではありません。ですからイスラム教の国が民主主義を採用したとすれば、どう考えても不敬虔であり、腐敗であり、狂気です。そこに真のイスラム教はありません。それゆえ私たちもタリバンの表明を悪く言うことはできません。もし悪く言うのであれば、それは信教の自由を否定することであり、イスラム教とその信者たちを迫害することになります。【3】アラブ人にもキリスト教徒がいないわけではありません。確かにアラブ諸国は最もキリスト教の伝道が難しい地域の一つです。しかし、そのような国にもキリスト教信仰がないわけではないのです。これはキリスト信仰が超越的だからであって、国家や国籍の壁を乗り越えるからなのです。このようにして全ての民族が神の民になるという旧約時代の預言が成就されています。旧約時代においてアラブ人たちは神の民になれなかったのでした。しかし、今やもう時代は変わっています。これからもアラブ人たちに対して神の国が閉ざされることはありません。