週報:【キリスト教は白人の宗教なのか】(2022/09/11)


日本人はキリスト教を全く欧米・白人の宗教として見做しています。確かに白人がその大部分を占める欧米国家にキリスト教徒は、数においても比率においても多い。世界的によく知られた著名人がキリスト教徒だったというのは何も珍しくありません。私は最近、恐らくカトリック教徒でしょうが、世界的に有名なアイルランドのU2というロックバンドにおけるボノがキリスト教徒であると知りました。しかし、キリスト教が本質的に欧米・白人の宗教だと見做すのは誤っています。まず場所について言えば、キリスト教は今のパレスチナから始まりました。ヨーロッパは紀元4世紀になるまでキリスト教に頑固に抵抗していましたし、アメリカにキリスト教が満ちたのも18世紀以降です。本質的に言えば、キリスト教は中東・西アジアの宗教です。また人について言えば、白人たちはキリスト教の成立にほとんど関与・貢献していません。キリスト教の根本であるキリストはユダヤ人として御生まれになりましたし、キリスト教の教会における土台である「使徒と預言者」(エペソ2:20)もユダヤ人でした。白人たちはユダヤ人により神が成立させたキリスト教という幕屋にただ入居しているだけです。ですから、キリスト教とは白人でなくユダヤ民族による神の宗教なのです。こういうわけなので、「キリスト教は欧米・白人の宗教だから日本人に適していない。」と考えたり言ったりするのは、前提からして正しくないことが分かります。キリスト教と聞けば白人のクリスチャンと欧米の教会堂ばかり頭に浮かんで来るので、日本人は「キリスト教=欧米・白人」という図式を持ちがちなのであり、本質的に思索するのであればキリスト教は欧米・白人よりも寧ろパレスチナ・ユダヤ人に結びつけるべきだと分かります。白人たちがユダヤ人により成立されたキリスト教に入っているのは、キリスト教が真理を説いているからに他なりません。真理は国籍を超越しているので、白人はキリスト教における真理を違和感なく受け入れることができました。パウロは真理であるキリストの福音について、こう言っています。「福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。」(ローマ1:16)もし真理が民族性を超越していなければ、キリスト教はユダヤ人だけに限定され、欧米の白人にまで満ち広がることはなかったでしょう。それゆえ、白人が他民族であるユダヤ人により成立したキリスト教に入っているのですから、日本人がこの宗教に入ることもおかしくないのです。日本人はこれまで外部から実に多くのものを取り入れて来ました。中国からは漢字、中国建築、中国料理など多くを取り込んでいます。日本人に馴染み深い仏教もその源流はインドであり、釈迦は外国人です。欧米からも洋服、車、鉄道、科学技術、洋食、議会制民主主義、ポップスなど数え切れないぐらい多くを取り込んで来ました。欧米からあまりに多くを受容したので、日本人は明治維新以降、欧米化しているとしばしば言われます。これからの日本はキリスト教を受け入れる段階であってほしいと思います。日本人が崇高で神聖な真理を受容することのできない野卑で低劣な民族でないというのであれば、素晴らしい真理をあえて受け入れない重大な理由が何かあるとでもいうのでしょうか。まさか日本人が真理よりも上に位置するものは何も無いということをさえ理解できないほど愚鈍だとでもいうのでしょうか?そんなことはないはずです。信じるべきなのです。そうすれば日本人にも真理が与えられるでしょう。キリスト教は全人類の宗教です。