週報:【ユダヤ人の区別とキリスト】(2022/11/27)


「ユダヤ人」が現在においてアシュケナージ系とスファラディ系に分けられるというのは、これまで何度も述べた通りです。この区別は今でも真剣に考察・議論されており、遺伝子的な研究も行なわれています。一般的には「ユダヤ人」と呼んで容易く一括りにされていますが、よく考えるとその民族的な区別の詳細は複雑で曖昧だと分かります。誰かがユダヤ人だと言われても、どのようなユダヤ人なのかすぐには分からない場合も多くあります。これはユダヤ人が呪われ、捨てられ、神から蔑ろにされている明白な証拠です。もしそうでなければ、神はユダヤ人の血統的な純粋さを保っておられたでしょうから、今でも昔のように分かりやすい判断を持てたことでしょう。一般的にアシュケナージ系ユダヤ人は偽ユダヤ人だと思われています。何故なら、彼らの先祖はユダヤ人でなく異邦人だったからです。現代において最も有名なユダヤ人であるロックフェラー家とロスチャイルド家も、やはりアシュケナージ系です。このため、この2つの家系に属するユダヤ人は偽のユダヤ人だとよく言われています。世の一般的な見解はともかく、このアシュケナージ系ユダヤ人について、聖書はどのように示しているでしょうか。ユダヤ人と聖書を切り離して考えることは決して出来ないため、この問題も聖書により考えなければいけません。聖書に答えを求めるならば、アシュケナージ系ユダヤ人は単なる「在留異邦人」に過ぎないことが分かります。古代ユダヤには在留異邦人が少なからず存在しており、異邦人でも割礼を受ければ、ユダヤの一員として神を礼拝できたものの、彼らはあくまでも「在留異邦人」であり、真に純粋なユダヤ人だと見做されていませんでした。もしロックフェラーやロスチャイルドといったアシュケナージ系ユダヤ人が古代ユダヤ社会に行ったとすれば、割礼を受けた異邦人として真のユダヤ人に次ぐ存在でしかいられなかったでしょう。何故なら、ヤコブの血を持つユダヤ人こそが真のユダヤ人だからです。それゆえ、アシュケナージ系ユダヤ人が自分を真のユダヤ人だと主張するのは間違いであり、自分の無知を自ら曝け出しています。古代の在留異邦人はそのような主張を全くしませんでした。このアシュケナージ系とスファラディ系ではキリストに関する絶大な相違点があることを知るべきです。それはアシュケナージ系ユダヤ人はスファラディ系ユダヤ人と異なり、キリスト殺しの罪と責任を負っていないということです。キリストを殺したのは、スファラディ系の先祖であり、アシュケナージ系の先祖ではありません。主が十字架に架かられた時、アシュケナージ系ユダヤ人はまだユダヤ人ですらありませんでした。ですから、紀元1世紀のユダヤ人が「その人の血は、私たちや子どもたちの上にかかってもいい。」(マタイ27:25)と言ってキリスト殺しの責任を引き受けた言葉は、アシュケナージ系ユダヤ人と関わりがありません。アシュケナージ系ユダヤ人はキリストを殺したスファラディ系ユダヤ人の「子どもたち」ではないからです。しかし、アシュケナージ系も一般的にはユダヤ人と見做されているので、本当のユダヤ人と同様にこれまで迫害を受けて来たのであり、今でも迫害を受けています。これがまた民族的な詳細の認識を更に難しくさせています。しかし、アシュケナージ系とスファラディ系、またユダヤ人と異邦人などといった区別は、否定されたり間違いだということはないものの、今となっては低次的なことでしかありません。今の時代で重要なのは、アシュケナージ系であれスファラディ系であれ、またユダヤ人であれ異邦人であれ、「キリスト者であるかそうでないか」ということです。パウロも言う通り、キリストにあっては「ユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由人もなく、男子も女子もありません。」(ガラテヤ3:28)誰であれキリストに属しているか、ということが最大に重要な点です。というのも、キリストは万物の主であられ目的であられる御方だからです。