週報:【移民政策の幸と禍】(2023/06/04)


今の日本は、少子高齢化と人口減少のダブルパンチにより、労働力不足が深刻な問題となっています。このため政府は先日、日本で働く外国人が永住可能となる職種を、現在の2分野から11分野まで拡大する方針を決定しました。菅前首相も、労働力不足を解決するため将来的にはやがて移民も必要となるのではないかと述べました。解決は移民政策に頼るしかないと強く主張する人もいます。このまま行けば、日本で少子高齢化と人口減少の問題が更に深刻となるのは火を見るよりも明らかです。社会保障費も更に増大するばかりでしょう。このような危機的問題を大量の移民により解決するのであれば、日本の持つ諸々の美質が犠牲となる可能性は非常に高いはずです。移民の受け入れ度合いが多ければ多いほど、犠牲の度合いも強まるでしょう。その「犠牲」とは、例えば治安の悪化、民度の低下、純粋な日本らしさの衰え、等々がそうです。移民が治安を悪化させるという点について言えば、これは既にアメリカやドイツの事例が証拠としてあります。人口減少に伴う労働力不足などの問題を解決するため、日本がこれまでに持ち続けて来た数々の美点を代償として捨て去るというのは、あまりにも大きな損失であると私には思えます。煙草を吸えば肺機能は長らく元通りになりませんが、移民の悪い効果により失われた日本が持つ美質は、尚のこと元通りにならないはずです。このため、移民について言及されることも珍しくない今の風潮は、非常に危機的であると言わざるを得ません。しかし、移民の受け入れにより、救われる日本人が増えることになる可能性は決して否定できません。つまり、こういうことです。もし日本に大量の移民が入って来るならば、日本人はその移民たちと融和して生きていかざるを得ないでしょうから、日本人は日本の伝統と異なる思想や概念に対して寛容となる可能性がかなりあります。もし日本人がそのような寛容さを持つならば、聖書や教会に対しても、抵抗感という壁が崩れ去るのは間違いありません。キリスト教である移民の人が多く入って来れば来るほど、このようになる傾向も強まるでしょう。そのようになれば、日本人は聖書や教会により近寄り易くなるわけですから、救われる人も増えることが期待できるのです。このようなわけですから、一般的に考えれば移民政策は災いだと思えるのですが、霊的に考えれば幸いであると言えるかもしれません。確かなところ、日本が社会的に幸いであるものの救われる人は少ないという状態より、社会的に不幸であるものの救われる人は多いという状態のほうが、遥かに優っています。というのも、この世で幸せであっても地獄に行くとすれば何の意味があるでしょうか。キリストはこのように言っておられます。「人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。」(マタイ16:26)救いは何よりも重要であり、地獄は最高に不幸な場所です。それゆえ、もし移民政策が日本人の救いに繋がるというのであれば、その政策は霊的な見地から言えば、日本と日本人にとって極めて大きな幸いであることになるのです。